top of page

​イントロダクション

Introduction

FB_横.jpg

KERA CROSS 

近年、演劇界での名だたる賞を立て続けに受賞し、2018年には紫綬褒章を受章、2019年には第26回 読売演劇大賞 優秀作品賞・優秀演出家賞を受賞するなど、その勢いが留まることを知らない、劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。KERA作品は、どこかシニカルさを漂わせ、その世界観は独特で唯一無二。ナンセンス・コメディをベースとしながら、30年以上の執筆活動の中で鮮やかに変遷し、一つの作風に留まらず、一人の作家が産み出したとは思えない程の多様な作品を世に送り出して来た。
その数々の戯曲の中から、選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創り上げる、シアタークリエ連続上演シリーズである。

『フローズン・ビーチ』

1998年、KERAが作・演出をし、劇団「ナイロン100℃」公演として新宿・紀伊國屋ホールにて初演され、2002年に同劇団により再演された。
女優4人で紡ぐミステリー・コメディであり、世相を鋭く映し出しながら、16年にわたる女性同士の心の機微を描く密室劇の傑作として、第43回岸田國士戯曲賞を受賞した。
女性の心理を繊細に描く名手と言われるKERAの、その才能を世に知らしめた、ナイロン100℃初期の代表作である。
その傑作に、「KERA CROSS 第一弾」として、人間群像を深く描き切る人気演出家・鈴木裕美の手により、2019年夏、新たな命が吹き込まれる。​​

​『フローズン・ビーチ』 STORY

舞台は、大西洋とカリブ海の間に浮かぶリゾート・アイランドにある別荘のリビング。
別荘の持ち主・梅蔵は島を開発している資産家であり、双子の姉妹・愛と萌の父親である。
愛を訪ね、バカンスにやってきた旧友の千津とそのエキセントリックな友人・市子。
愛と千津は、ただならぬ雰囲気を漂わせている。
そこに、梅蔵と後妻の咲恵が予定より早く旅行先から戻って来る。咲恵のせいで母が自ら命を絶ったと思っている愛は継母である咲恵と、病弱ゆえに父の愛を独占する萌を妬ましく思っている様子。
そんななか、市子がひょんなはずみで愛をベランダから突き落としてしまう。
それから、8年。
それぞれの人生がさまざまに変化する中、同じ別荘のリビングに集まった4人。
そこで待ち受けていたのは衝撃の真実だった。
 
そして更に8年の年月が流れ…。
16年にわたる女たちの複雑に絡み合った運命は思わぬ結末をむかえる。
bottom of page